ENEOSが新燃料開発へ

脱炭素への動きが加速するなか、ENEOSホールディングスが二酸化炭素(CO2)の排出を実質ゼロにする合成燃料の開発を急いでいます。仮想空間で最適な素材を組み合わせ、高速シミュレーションを繰り返す独自のデジタル技術を活用します。高効率の製造手法を確立して2030年代に商用化し、石油依存の事業構造を変革するとしています。ただ、最大のネックは、コストの問題です。例えば、水素を使用し国内で合成燃料を生産すると、現状では1㍑約700円になると試算しています。従来の燃料との価格差を解消するには技術開発に加えて、国や航空・自動車など幅広い業界を巻き込んだ推進体制の仕組みが不可欠です。実現はまだ遠い先です。