経済回復の遅れ(対米欧)

日本経済の回復が遅れています。7~9月期の実質国内総生産(GDP)は前期から年率3.0%減り、プラス成長が続く米欧との差が鮮明になっています。要因はワクチンの普及に手間取った影響で個人消費の持ち直しが鈍いことです。GDPがコロナ前の水準に戻るのは2022年以降になる公算が大きいようです。コロナ後の経済対策でも米欧はデジタルやグリーンなど成長分野での支出を大胆に増やそうとしている一方、日本は家計への給付金など分配が先行しています。今後、生産性を高めて成長力を押し上げる方向に転換しなければ低成長のまま財政悪化がさらに進展する可能性があります。