20日の外国為替市場で円相場は32年ぶりに節目の1ドル=150円を超えて下落しました。政府・日銀が大規模な円買い介入に踏み切ってから約1ヶ月、円買い介入後の高値(140円台前半)からは10円ほど円安が進行し、効果の限界が見え隠れします。円安が止まらないのは低金利依存から脱却できない日本経済の弱さが透けて見えてきます。日銀によりますと、日本の潜在成長率は32年前の4%台から足元で0%台前半にまで下がっています。経済の実力が下がるなか、日本は日銀の超低金利政策への依存を強めてきました。この低金利が常態化することで、本来であれば淘汰されるべき収益力の低い企業が生き残るようになり、競争力のある企業に人材や資金が回りにくくなりました。その結果、経済の新陳代謝が弱まり、実力がさらに押し下げられるというトラップにはまり込みました。急速な円安から目を背ければ、この異常とも言える状態から抜け出すことはできません。