金の国際価格が最高値に接近しています。金高騰の底流には、世界の中央銀行の米ドル離れがあります。ウクライナ侵攻後に世界の中銀は金保有を急速に積み上げたほか、人民元など他の通貨に移す動きも進んでいます。金の高値は世界の分団の深まりと、米ドル一強の通貨体制の揺らぎを映し出しています。(金は希少性の高さに加え、株式や社債、国債などと異なり特定の企業や国の信用リスクと結びつかない特徴から安全資産とされています。また、配当や利息を生まないため、好景気や金利上昇局面では投資対象として選ばれにくいものの、景気悪化や金利低下局面では妙味が増します)