金融庁は銀行の融資規律を点検します。粉飾決算などコンプライアンス違反で倒産する企業が増えているためで、審査に緩みがないか立ち入り検査を含め検証します。マイナス金利政策の解除により杜撰な融資が不良債権化するリスクも高まります。金融政策の転換も視野に金融システムの安定確保を目指すとしています。一連の背景には、19年末に不良債権の区分を細かく定めた金融検査マニュアルを廃止し、個別融資の妥当性をみる資産査定検査をやめました。金融機関の自主性を尊重し一定のリスクをとった融資を促すのが目的でしたが、規律が緩み、金融機関によってリスク管理に差が出ている側面もあるようです。