今年のキーワードは「経営の原点回帰」

 新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 さて、2026年の幕が上がりました。不確実性が常態化し、技術の進歩が日常を大きく塗り替えるなかで、経営者は例年以上に多様な判断を迫られる1年になりそうである。市場環境は好転と悪化を繰り返し、先を読むことが極めて難しい時代でもある。

 しかし、そのような時代だからこそ、企業の進むべき方向を静かに、そして深く問い直す好機でもある。ということで今年のキーワードは、「経営の原点回帰」ではどうだろうか。多くの企業が忘れかけていた「なぜこの事業を行うのか」という根源的な問いに立ち返ることが競争力の源になるのだと思う。

 また経営環境が複雑さを増し、戦略やツールは日々更新され続けているなか、AIの実装、デジタル化、人材戦略、サステナビリティ対応などどれも重要であるが、手段が目的化すれば組織は方向性を見失ってしまう。今求められているのは、最新の潮流を追う前に「自社がどんな価値を社会に届け、どの未来を実現したいのか」を改めて言語化し、それを軸に意思決定を行う姿勢である。原点とは、創業の理念だけではなく、顧客との約束、社員が働く意味、社会に存在する意義、それらを整理し直し、全員が共有できる形に再構築することであろう。

 さらに2026年は、人と組織の学習力が企業の成長を左右する年になると思う。技術も市場も加速度的に変化し続ける以上、社員一人一人が学び続ける文化をどれだけ育てられるかが、原点回帰の実行力を決定づける。理念や価値観が明確であればあるほど、「人はなぜ学ぶのか」、「どの方向に成長すべきか」を理解する。学習は行動の羅針盤があるときにこそ力を発揮するのだ。

 新年は、企業自らの志を再び見つめ直す絶好の機会である。変化のスピードが速いほど、経営には揺るぎない中心軸が不可欠となる。原点に立ち返り、価値を明確にし、そのうえで果敢に挑戦していく。

 そんな1年を歩むことで、2026年は企業の次の飛躍へとつながる節目の年になる。

 今年の干支は丙午である。強いエネルギー、情熱、行動力が高まる年とされ、勢いよく物事が進み、変化が起きやすいなどの意味合いを持つとされている。正に丙午の年の特徴どおり、変化に対応しながら物事が進んでいく年でありたいと願っている。