地域に根ざした大きな強み

 3月、年度の終わりは、数字の整理や来期への準備に追われ、事業者の皆さまにとって気持ちの落ち着かない時期かもしれない。

そして、現在の物価高、人手不足、環境変化は、決して楽な経営環境であるとは言い難い。

 それでも今改めてお伝えしたいことは、中小企業にはまだまだ可能性があるということである。

 連載を通じてお伝えしてきたように、規模が大きくないからこそできる経営判断の速さ、現場に近いからこそ見えてくる顧客の生の声、何よりも地域に根ざして積み重ねてきた信頼と実績は、大企業には簡単に真似できない大きな強みである。

たとえ時代が変わっても、「だれのどんな困りごとを解決しているのか」という事業の軸が明確であれば、進むべき道は必ず見えてくる。

さらに、変化の時代に必要なことは、完璧な計画よりも小さく試し、修正(改善)し続ける姿勢である。一歩が小さな歩みでも構わない。例えば、新しい取引先に声をかけてみるとか、業務の無駄を一つ減らすとか、従業員と将来について話し合ってみるとか・・その積み重ねが半年後、1年後に確かな違い(=財産)を生み出してこよう。

この先不安になることがあっても、事業を続けてこられた皆さま自身が、既に頭の中に答えを持っていると思う。これまでの経験、失敗、挑戦の全てが、次の一手を支える土台(=経営資源)である。どうか自社の歩んできた道のりを自信や誇りに思っていただきたいと思う。

最後に、これまで本コラムをお読みいただき、心より感謝を申しあげます。忙しい日々の中で、目をとおしてくださったこと、そして経営について考える時間を共有できたことは、書き手としてこの上ない喜びと同時に大きな励みでした。本連載は今回で一区切りとなりますが、皆さまの挑戦はこれからも長く続いていきます。

新しい春が、事業者の皆さまにとって前向きな一歩を踏み出す季節となることを願っています。

ありがとうございました。