「また行きたい店」、「紹介したいお店」とは・・

 久しぶりに友人にランチに誘われて所謂「町の定食屋さん」へ行った。友人もそのお店は初めてということだったが、おそらくそのお店のことが以前から気になっていたので誘ってくれたのだろう。年輩のご夫婦だけで切り盛りしているごく普通のお店である。立地はメイン道路から外れた通行者(車)に気づかれにくいところにあり、外観は今風ではないが、和風のイメージでいたってシンプルである。店内は、飾り気はないものの、清潔感があり落ち着いた雰囲気である。我々が最初の来店客であったが、しばらくの間に来店客でお店が満席になった。さて、肝心のメニューであるが、丼ものから麺類まで幅広く、選択に困るくらいである。筆者は焼肉ライス、友人はカツライスを注文した。どちらもボリューム満点で、友人はライスを小にしたくらいである。味も期待に違わずとても美味かった。質量ともに十分で、値ごろ感のある価格、女将さんの誠実な接客であれば、顧客の満足度は一層高くなる。このお店は、こうした十二分に満足した固定ファンに支えられているのだと思う。もちろん筆者もまた友人を誘ってこの店に行き、次は中華そばを食べたいと思っている。

 後に筆者がネットでこのお店のことを検索したところ、口コミ数は少ないものの、来店客からの評価は上々で、コメントについても好意的に捉えたものばかりである。特に印象的なコメントだったのは、「このようなお店がこれからもずっと残っていてほしい」というものだ。筆者はこれらのコメントを読み、友人は多分ネットで下調べをしてから筆者を誘ってくれたに違いないと確信を持ったのである。

 実は、筆者も職業柄、飲食店に対しての思い入れは人一倍強いのであるが、飲食店を評価する際に、その良し悪しを判断するポイントは、「自分がまたこの店に足を運びたいか」、「他人にこの店を紹介できるか」の2点である。細かなことを敢えて挙げれば、味、接客、店の雰囲気、施設・設備の清潔感などであるが、やはり上述の感情(感覚)に優先されてしまう。こういったものが集約された形でネットや口コミに反映されるのだと思われる。

 新型コロナ感染が収束されつつあるが(まだまだ予断を許さない状況でもある)、特に、一番コロナ禍の影響を受けた飲食店の方々には、改めて顧客が真に求める視点(原点)に立ち戻って頑張ってほしいと心から思っている。