「次の主力事業」は何か!?

 皆さま新年明けましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願い申しあげます。

 2022年は「寅年」である。虎は毛皮の模様から前身が夜空に輝く星と考えられていた存在。『決断力と才知』の象徴としての意味もあり、縁起物としても親しまれている。ぜひその恩恵にあずかりたいものである

さて、会社というのは複数の収益源を持つことが、何があってもつぶれないためのリスクヘッジとなる。本業だけの単一ビジネス頼みでは不測の事態に対応することが難しいからである。通説では、主力事業(収益事業)の賞味期限はせいぜい10年~15年と短いことから、「次の主力事業」とは何かを見据えて、常日頃から準備していくことが不可欠である。

 ただし、収益源の確保で最も重要なことは、顧客ニーズが確実にあること、そして他社よりも優れたノウハウやスキルがあるなど何らかの優位性を持っていることが前提である。

 具体的な事例をご紹介しよう。地方都市で運転代行会社を経営していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、主力事業の運転代行業の需要が激減し、軌道に乗りつつあったインバウンド向けの観光バス事業も大打撃となってしまった。この窮地を救ったのが「次の主力事業」として準備していた未就学児の発達支援療育施設の運営だった。この事業は、まだ参入する業者も少なく事業領域が珍しいことから引き合いも多いという。この背景、要因として、昨今の発達支援に関するメディアへの露出が多くなってきていること、経営者の子育てへの造詣の深さとその想い、彼を支援してくれる人的ネットワークの広さが根底にあったと思われる。また、投資資金に余裕がないケースでは、「事業性再構築補助金」などを有効に活用し事業展開する方法もある。

 「次の主力事業」については、主力事業(収益事業)と異なり、すぐに効果をイメージすることができず、途中で挫折しそうになることもあるかもしれないが、コツコツとシミュレーションを繰り返しながら準備しているうちに外部環境に変化が起こりある日突然追い風が吹く可能性もある。

 コロナを経験した今だからこそ、また年の始めの試みとしても、未来に向かって取り込む「次の主力事業」は何なのかを検討してみてはいかがであろう。