経営改善はP・D・C・Aを回せ!

 起業相談においては、創業計画書を策定するプロセスの要所要所で、ライバル企業に勝つための方法として、競合他社にはない独自のユニークな製品・サービスによって差別化を図ることや、唯一無二のものを作れば高い利益の獲得が期待できることなど、常に差別化を図り続けることが不可欠だとアドバイスしてきた。

 相談も大詰めの起業間近の段階になってくると、相談者から尋ねられることの一つに、「これから経営していくうえで、何か重要なことはありますか?」というのが少なくない。

 いろいろ重要なことはあるのだが、筆者がいつもアドバイスすることは、「とるべき戦略が決まり実行に移したら、その戦略が上手くいっているのか、改善点はあるのかなどを再度確認することが重要ですよ」と決めている。

 確認のための方法に「PDCA」がある。PDCAは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の4つの頭文字からとった言葉で、戦略が成功しているかを調べるためのものだ。

 以下にPDCAについてのポイントを述べるので参考にしてほしい。

 1.Plan(計画)

   現状を把握し、月々の売上・利益目標や目的、スケジュールなど具体的な行動指針を決めること。

 2.Do(実行)

   Planで立てた計画を実践し、各部門・部署で実施した効果を記録すること。

 3.Check(評価)

   データを用いて目標が達成されているかを確認し、計画と実績を見直し、問題点や課題を明確にすること。

 4.Action(改善)

   Checkに基づいて問題点の改善策を検討すること。再発防止策を考えたり、仕組みを調整したりして次に活かすこと。

 さて、意外に思われるかもしれないが、このPDCAのプロセスでC(評価)を怠っているケースが散見される。所謂「やったらやりっぱなし」状態のことであり、これでは当然のことだが改善できるはずもない。この4つのサイクルを繰り返し循環させることにより、計画した戦略を成功へと導くことができるのである。特に、経営者や管理者については、C(評価)の役割と重要性を今一度考えてみてはどうだろうか。