継続して儲かる仕組みをつくるには・・

 日本の法人企業の多くが赤字決算だとまことしやかに言われたこともあったが、連続して黒字を出し続ける企業もおそらくそんなにあるものではない。継続して儲けることの難しさは経営者の方ならだれでも実感していることだろう。

 今回は、継続して儲かる仕組みをつくるポイントを顧客の立場で考えてみたい。消費者がどのような状態のときに定期的な消費行動を起こすのか?その決め手となる具体的な要素は何なのか?

 一般的には料金、品質・機能、アフターケアなどを含む各種サービスに事業を継続するうえでの様々なヒントが隠れている。

 しかし、料金設定で他社と大きな差をつけることは極めて困難である。利益を度外視して赤字覚悟であれば話は別だが、自ら好んで格安な料金を設定する経営者はいない。

 品質・機能面についても卓越した能力や技術があれば大きな魅力になるが、そこまで突き抜けていれば、既に仕事の依頼は引きも切らないはずである。

 そこで、注目してほしいのが、会社の付加価値である。例えば、「とにかく面倒見のよい会社」というのも立派な付加価値の一つである。たとえ、他社と同じ料金、同じ提供レベルであったとしても、「面倒見がよい=いつ何時も頼りになる」という要素が選ばれる理由になるからだ。この圧倒的な付加価値は、他社(ライバル)のやる気を奪うという副次的な効果ももたらすことにもつながる。

 付加価値を言語化、分かる化するポイントは、「何故、私が今、御社の商品・サービスを購入しなければならないのか」という顧客の問いに真摯に答えることから始まる。

 パラリンピック選手が使用する義足をつくるメーカーの職人は、高度な技術力以上に選手の要望を聞き出す優れたコミュニケーション能力が必要不可欠だそうである。1回のヒアリングに何十時間もかけることもあるという。だから新規の制作依頼が後を絶たないのである。

 付加価値を根底から支えるものが強みであり、強みが利益の源泉であることは間違いない。

そして、強みは他社との違いが明確になる付加価値となることによって、顧客から選ばれる理由にまで昇華されるだと思う。