「顧客教育」をしないと他社に行ってしまう!?

 今年も早いもので1年納めの月となってしまった。

何かと慌ただしい最中ではあるが、できれば問題や課題は来年に持ち越さず年内に解決しておきたいものである。

さて、筆者は長年の間、定期的に歯科医院に通っているが、そこの医師の顧客教育が半端ない。マーケティングでいう顧客教育とは、それまで顧客が知らなかった新しい価値観や新しい知識を提供することである。

 例えば、歯並びが悪いとなぜよくないのか、知っている人は少ないと思われる。見栄えが悪いという観点から歯列矯正を検討するのではないかというのが一般的に思い付くことであろう。

もちろん、それもあるが、歯並びが悪いと歯をみがきにくくなるため、歯垢や歯石が溜まりやすくなり、結果的に虫歯や歯周病を引き起こしやすくなること、さらに発音などにも影響があるため、サ行・タ行・ナ行・ラ行が苦手になってしまうこと、外国語の習得も困難になるなどの悪影響が出てしまうようである。

 なるほど、TV画面に映るアナウンサーに歯並びの悪い方をあまり見たことがないと思うと合点がいく。こうしたことは、普通に生活しているだけでは知り得ない情報であるため、専門家である歯科医院の医師が責任を持って伝えていかなければならないとの方針から顧客教育をしているのだと思われる。

 一般企業においても、こうして顧客に新しい価値観や知識を提供することで、自社商品やサービスを継続して利用してくれることにつながる。経営者は顧客の生活を豊かにすべく自社が持てるスキルやノウハウ、アイデアの限りを尽くし、顧客に提供していく責務がある。

 そうした企業努力により、他社よりも単価の高い商品・サービスを販売することができれば、自ずと売上や利益は上がっていくことになる。

 顧客教育というと何か押し付けがましいイメージがあると思われがちだが、決してそうではなく、顧客教育とは“真のサービス”と言っても過言ではない。

経営において顧客教育を実施することは、顧客のためにだけではなく、企業が継続的に発展していくためにも必要不可欠だと思われる。

 今年1年拙い文章をお読みいただき誠にありがとうございました。

それでは、皆さま良いお年をお迎えください。