「協力する人」を立場を超えて実行に巻きこむ!?

 新年明けましておめでとうございます。本年も何とぞよろしくお願い申しあげます。

 2024年は甲辰(きのえたつ)にあたります。龍は天に向かって飛翔するイメージがあり、天まで届く勢い、昇り調子で成長する1年となるよう祈念いたします。

 さて、業績が向上するのであれば、社内の誰にとっても得であることから、誰もが進んで課題解決策に協力するわけだが、現実にはそうならないことが多い。

 業績向上のための施策が提案されたとしても、過去のやり方を変えられず、現状を維持しようとする企業は珍しくない。目の前の仕事に取り組む以上のことを望まない組織の体質が施策の実行を阻むのである。

 筆者もサラリーマン時代に経験したよくある問題として、役員・管理職の面々がテリトリーを守ることにこだわり非協力的になることや、縦割り組織で部門間の連携がうまくいかない、取り組みに対するインセンティブがなく協力者が集まらないといった例が挙げられる。

 また、風通しの悪い企業文化、不十分な教育体制、人材の流動化といった問題もある。これらのインフラや人の意欲が機能しないとかえって課題解決を阻害してしまうことになる。

 これらの阻害要因を克服するためには、部門や役職の立場を超えて協力することが求められる。会社のトップが全社的な取り組みとして位置づければ、改革の意識醸成はスムーズにいくかもしれないのだが、そこまでは望めないケースも少なくない。

 そのため課題解決に取り組む「志」のある人が必ず直面する大きな悩みは、上司、同僚、部下をいかに巻き込むかという点にある。

 課題解決のカギは人の意識や行動を変えるコミュニケーションにある。解決策を阻害する要素は人にあるが、一方で施策を推進する力も人にあるのだ。

 決裁権を持つ人物から具体的な業務を遂行する人物まで、阻害要因を解消するには様々な立場の人を動かす必要がある。そのためには、施策の理解浸透や提案、協力への呼びかけなど円滑なコミュニケーションが極めて重要である。

 さあ、皆さん!今年は龍のようにだれを巻きこんで速やかに課題解決を図っていきますか!