大相撲五月場所が11日に初日を迎える。休場明けの横綱豊昇龍にとっては正に正念場となる。横綱は言わずと知れた相撲界のナンバーワンである。豊昇龍はナンバーワンになるまでは、自分よりも強い相手に稽古をつけてもらって実力をつけたが、一人横綱となってからは胸を貸す格下の相手はいるが、胸を借り切磋琢磨する相手(横綱同士のライバル)はいない。
そして、何より横綱として自分を律し、後輩を育て相撲文化と技術を伝承していくという大きな使命がある。
一方、ビジネスの世界においては、会社は地域経済の発展に寄与するという大事な役割がある。それをなすには一つの会社ではとても無理である。たとえ一人勝ちしたとしても、結局大きな発展につながらないのは、1社のみでは業界も地域経済も自ずと限界があるからだ。
そこで、必要になってくるのが強いライバルの存在である。ライバルがいるからこそはじめてナンバーワンの会社が存在し得るのだと思う。
もし、地域にライバルが存在しないとしたらどうだろう。顧客はナンバーワンの会社の商品しか選択できず、その会社に依頼するしかない。価格も比較対象がないのでその会社の言い値となってしまう。結果として、その会社はそれほど努力することなく儲けることができるのである。
しかし、顧客もいずれ他の地域の会社の商品や技術の方が適正価格であることを知るようになる。その情報がネットや口コミにより拡散されればその会社は一気に顧客を失うことになる。
ライバルと互いに切磋琢磨しながら、時に競争し、時に共働する。この循環が強い業界をつくり地域を豊潤なものへと変貌させる。
ライバルが存在するということは、業界、会社、そして顧客の成長につながる。ライバルとともに高みを目指すことが理想の状態であると思う。
この先相撲界でも豊昇龍の強力なライバルとなるもう一人の横綱が誕生し、過去の貴乃花・曙時代のように互いに競い合って精進を重ねれば、大相撲は今よりももっともっと人気を博し、さらに盛り上がりをみせるのではないかと思う。
さて、御社のライバルはどこにあるどの会社ですか、そして互いに競い合ってより良い関係を構築していますか?