勝つために地域の競合を分析しよう!

 起業相談者に「参考になるお店があったら教えてください」と聞かれることが少なくない。そこで筆者が過去に支援したおすすめのお店を紹介してあげるのだが、相談者がそのお店を訪問した際の感想を尋ねると、一様に皆「とても参考になりました。繁盛店の理由がよく分かりました」というものが多い。支援した者として、その報告を聞くと「お店が頑張っていてくれているな」と実に誇らしくもあり嬉しくもなる。

 地域一番店になるために、絶対必要なのが競合分析である。分析した後は、すぐに良い点を真似してやってみればよい。一般的に物事を習得しようとするとき、まずは真似から入るものである。それはビジネスの世界でも一緒で、学び、模倣するということが重要だ。オリジナルで冒険するのはその後のことである。

 具体的な分析のポイントは、(1)他の店でやっていないサービスは何か、(2)仕入はどこのものを使っているのか、(3)ターゲット層はどこか、(4)どんな広告を出しているのか、(5)接客など従業員教育はどうか、等々である。調べていくうちに、競合店にどうやれば勝てるのか、その要素がだんだん見えてくる。あるいは真似しているうちに、自店ならどうやるのが最も良いか見えてくる。

 このように分析と真似、考察の3つが化学反応を起こして生まれるのがオリジナルである。要は分析と真似をして学ばなければ、せっかく作ったオリジナルは的外れになりリスクが生じるということだ。

 そして、最も大切なことは、勝ち戦をすることである。勝つ戦とは、競合店ができるだけ少ないか、力が弱い地域で戦うことである。強靭な競合店にむやみに挑んでも、負け戦になればそれでおしまいである。

 たとえどんなに資金があっても、どんなに大学で難しいマーケティングを学んだとしても、生きた教材にはかなわない。その地域で1番を張っているお店は、必然的に勝てるマーケティングを実践しているのだと思う。このリアルな分析・模倣・考察を徹底的に行ってこそ、野戦に強い真の実力者になれるのだと思う。

 さて、皆さんはどのくらい競合店のことを知っていますか?