御社の危機管理対策は大丈夫ですか!?

 今年のGWのことである。家族と外出し、自宅に戻ってきたところ突然雹(ひょう)が降り始めた。最初はものめずらしさもあり、携帯カメラでのん気に撮影する余裕さえあった。
 ところが、その数分後とんでもない衝撃的な事態が我が家を襲った。部屋のなかに滝のように(決しておおげさではなく)雨水が流れ込んできたのだ。正に茫然自失とはこのことである。なす術もなく嫁とその場に立ちつくした。
 後に建築業者が確認したところ、雹が屋根の樋を直撃し穴が開いたことと、樋が雹でつまり雨水がオーバーフローしたことが原因であると判明した。
 被害は大きかったが、幸いにも仕事への影響はなかったことと、損害保険で出費をカバーできたことはとても助かった。これがもし自宅の仕事部屋であったなら、無保険であったならどれだけ周囲の方にご迷惑をかけていたことであろう。
 このような出来事をとおして改めて企業におけるBCP(事業継続計画)の必要性を強く感じた。
 「BCP(Business Continuity Plan):事業継続計画」は、企業が自然災害や大事故、不祥事や取引先の倒産などの災害に見舞われた際に、自社を倒産させたり事業を縮小させたりすることがないようにするための事前の準備と、実際に災害リスクが発生した場合の緊急時対応マニュアルをまとめた計画である。緊急時対応マニュアルは非常時に用いるものであり、事前に紙に印刷してファイルにとじて保管しておくか、従業員に配布しておくことが必要である。
 BCPが求められる緊急事態は、企業の存続を左右するような事態が該当するが、その原因となる災害リスクは大地震だけではなく、例えば、新型インフルエンザで大量の従業員が出社できなかったり、中東で戦争が起こり原油の輸入がストップし、電力が平常時の3割しか供給されなかったり、自社から遠く離れた場所で大地震が起こり、自社は無傷だったが、製造に必須である部品を製造している取引先が倒産したなど、平時の延長体制ではどうにもならないような本当の緊急事態に対する備えがBCPである。また、この場合の災害リスクは自然災害に限定されず、対象範囲も自社だけでなく地域や取引先も含む。こうしたあらゆる不測の事態から事業を守るための全方位計画がBCPである。
 読者の皆さまも自社のBCPについて、改めて見直す機会を設けてみてはいかがであろう。