デジタル化について考えてみる(デジタル元年)

 新年明けましておめでとうございます。

 本年も皆さまにとって、輝かしい1年となりますことを心よりお祈り申しあげます。

 さて、今回のテーマは、デジタル化について考察したいと思う。政府は昨年末に今年9月に「デジタル庁」を発足させる「改革の基本方針」を決定した。コロナ禍によって人と接触しない活動が求められ、デジタル技術を活用した在宅勤務や非接触型の営業が進みつつあるなか、中小・零細企業にとっては道半ばであり、これらを一気に促進させ課題解決させようとの背景、狙いもある。

 以下では、主な業界で行っているデジタルの導入事例を挙げるので参考にしてほしい。

【主要業種のデジタル導入事例】

業種 内容

医療・介護業

通院困難な患者や医療過疎地の患者に対してケアするオンライン診療
飲食業

顧客のスマホで注文から決済、座席への配膳依頼が完了できるシステム

製造業 工場内にセンサーを設置し、機器の稼働状況や生産性を見える化
運輸業 再配達削減のためLINEを使って希望配送時間帯や受取方法を指定
小売業 会計作業の効率化、消費者ニーズを把握して品ぞろえを最適化(キャッシュレス決済)
不動産業 VR(バーチャルリアリティ)による内覧会の実施
建設業 スマホなどを用いた図面や工数の確認、映像システムを用いた遠隔業務指示

 では、具体的にどのようにデジタル化を進めていくかである。先ず業務フローの見直しを行うことであり、人力に頼らず省力化できる業務と、あるいは人力に頼らないとできない業務に分けてみることである。また、社内でITに関してリテラシーが低い層に合わせて、全員がシステムを使える環境を整備することが重要である。例えば、最近のデジタルツールは機能も多く、何をどう使えばよいのかわからないケースも生じる。レベルの高いものを求めるよりも、全員が使える標準レベルのものを導入するほうが結果として全体の生産性が高まる。このように初めは身近な業務のデジタル化からスタートすることになるが、次のステップとして、「DX(デジタルトランスフォーメーション:一部の業務にデジタル技術を活用するだけでなく、それを契機として企業全体の変革も図ること)」を検討していくことも不可欠である。正にデジタル元年として一考してみてはいかがであろう。