会社の定期健康診断を行っていますか?

 50歳を過ぎてから10年以上にわたって、毎月1回クリニックに通っている。歳を重ねるとともに中性脂肪やら血糖値などの数値が高くなってきたためである。食事療法や運動を行いながら現状よりも悪化させないよう努力してきた。
 しかし、そうそう努力が続くものではない。たまにはお酒の誘惑には勝てず、飲酒の機会が増えたり、仕事で疲労が蓄積したりしたときはウォーキングをさぼってしまうこともあった。そのようなときは、クリニックへ行くのが憂鬱だった。案の定数値が悪いと医師からは「杉本さん、なにかありましたか?」と痛いところを鋭く突いてくる。
 医師に指摘されて素直に原因を白状してしまうのだが、医師からは「毎月、定期的に継続して来てくれることが一番いいことなんですよ」と言われ、そこでまた安堵するのである。それから次の受診までには、数値を下げるよう努力することを肝に銘じるのである。 
 翻って、企業経営にも同じことが言えるのではないだろうか。つまり、定期的に会社の現状分析を行い、業績が目標より芳しくなければその理由を把握し、自社が抱えている経営課題を抽出、その際、最も重要で解決を急ぐ課題について改善策を考え構築・実行し続けることが重要なのである。
 そこで現状分析をする際に、筆者が通常行う方法にSWOT分析というのがあるので紹介したい。内部環境(強み、弱み)、外部環境(機会、脅威)について様々な角度から分析するもので、会社内でプロジェクトチームを組んでもらい、経営者・幹部や従業員で会社を取り巻く経営環境や実態を気づいてもらうことに活用している。

【SWOT分析事例:製造業】

『強み』内部環境
・自社独自の技術力・開発力が極めて高い
・社内に貿易実務のスペシャリストが存在する
『弱み』内部環境
・取引先(販売・仕入)が一国(先)に集中し依存度が高い
 『機会』外部環境
・国内需要増を踏まえ国内販売に徐々にシフトしていく
・市場成長性の高い国(先)とのマッチングに活路を見出す
 『脅威』外部環境
・新型肺炎など想定外の病気が発生、流行する
・技術革新の高度化が著しい
・貿易摩擦などにより国同士の関係が悪化する
※実際にはもう少し詳しく分析します
方向性・あるべき姿
外部環境の変化に的確に対応することや、外部環境の変化に左右されない経営体質を目指す