手っ取り早く新商品を開発するには・・・

 最近、毎年恒例となっている地域商工会と大学が連携して商店の新商品・サービスを開発するプロジェクトの成果発表会にコメンテーターとして出席させていただいた。いつもながら学生の発想力の面白さ、先入観にとらわれない柔軟な思考に驚かされる。今回も地域の食材を生かした「真冬に食べるかき氷」や夏の消費拡大に向けた「夏期限定のアイスみそまん」など実に興味を引く内容であった。提案された側の経営者も商品の出来栄えにはとても満足した様子が印象的であった。
 新商品(ヒット商品)というのは誰もが欲しいものである。しかし、現実として新商品は、そうそう簡単に生まれるものではない。その主な理由は、技術(者)がなかったり、資金がなかったりと経営資源の限界を先に考えてしまうからである。
 一方、先述した2つの事例の共通点は、その業界のプロではない学生が消費者目線で既存の商品のよいところを活かして別の商品性を持たせたり、形や色や重さを変えたり、あるいはパッケージを工夫してより美味しく魅力的な商品に仕上げたものだ。言わばお菓子版のマイナーなモデルチェンジであろう。
新商品を最初から開発するとなると、多くのコストや時間が必要になる。そういう意味では、既存の商品をベースにして新商品を開発することは、ホームランこそ期待できないが、ヒット商品となる可能性やリスクを回避するという観点においてお進めの開発手法である。また、身近なところにも新商品開発のヒントはたくさんある。要は経営者がプロとしての誇りを持ちつつも、既成概念や先入観という鎧(よろい)を脱ぎ捨て真摯に消費者の「生の声」を聴くところから始まるのだと思う。

【新商品開発のメカニズム】
潜在的なウォンツは誰にでもあり、それをニーズに変換することが重要なポイント!

 

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