職場における冷蔵庫の場所とは!?

 皆さんの職場のデスクには何枚のメモがあるだろうか。ポストイットに大事なことをメモしては、パソコンのディスプレーの端やデスクのよく見える位置に貼ってはいないだろうか。それらはMUSTリストだったり、備忘メモだったりする。
 一方、家庭のMUSTリストや重要事項は、机ではなく冷蔵庫の扉にマグネットでとめられているのではないだろうか。冷蔵庫の扉にペタペタとマグネットでとめられた紙片は美観こそ損ねるが、日々の生活で最も大切な場所として、誰もが目にするキースポットだからこそそこに貼るのである。
 これを職場に応用することができる。冷蔵庫の扉と同じ機能を持つ場所(=職場の出入り口)に重要事項を貼りだすことで多くの人にメッセージを伝えることができる。出入り口でないところに掲示板を設けているオフィスでは、存在感が低いため誰の注目も集めていないことが少なくない。また、インターネットの普及とともに、かつては掲示物や紙で配付されていた職場への連絡事項もメールで代替される時代となった。メールというのはたいへん便利ではあるが、それだけですべてが伝わると思わないほうが賢明である。特に人事、経理、総務などスタッフ部門からの配付物、連絡、通達などはその傾向が強いので、メールによる一斉配信に加え、職場の皆の目に届く注目度ナンバーワンのキースポットにこそ、本当に伝えたい掲示物を貼ることが効果的である。
 さらに一歩進めて、この出入り口付近の掲示スペースを職場の活性化に活用したいところである。それも空いているスペースを掲示に用いるという発想ではなく、戦略的に掲示を活かすことでより職場の活性化につなげるのだ。具体的には、企業理念や部の方針も職場中央の高いところに掲げるよりも、出入り口付近に貼るほうが浸透度は高まる。さらに額縁におさめて掲げるよりも、気の利いた手作りポスターにするほうが効果は増すだろう。
 業務上の告知事項はそのままでもかまわないのだが、ほんの少しだけ遊び心を加えると掲示内容自体の訴求力が一段と高まる。IT全盛の時代にあって逆にそのくらいの心の余裕は持ちたいものである。
 会社のいつも見慣れた光景から、ほんのちょっとした変化が新鮮に映り、社員のモチベーションを上げることにもつながり、職場の活性化への一助となる。