補助金の有効活用を考えてみては・・・

 今、各種補助金制度が充実している。補助金は原則的に返済が不要で融資のように利子がつかず、担保も保証人も必要のない優れた資金調達手段である。
 一方で、「補助金が出るなら使わなければもったいない・・」という安易な発想での活用は、かえって企業の本来持っている力(知恵や工夫など)を引き下げる要因にもなる。筆者の周辺にも、毎年何らかの補助金をとることだけが目的となってしまい、肝心の企業としてあるべき姿(方向性)に向かって何をやらなければいけないのかを見失っているケースも散見する。補助金をとることはあくまで自社の経営課題を解決するための一手段であって最終目的であってはならない。
 補助金は企業の発展や活性化のための起爆剤として上手く活用すれば非常に有効であるが、ただの一過性で終わらせてしまうのは、それこそ「もったいない話」である。企業の継続的な発展にとって補助金が本当に必要不可欠なものかをよく吟味して申請することが大切である。

補助金の申請を検討する際の基本的なポイントを以下に挙げるので参考にしてほしい。

1. 対象経費の確認

自社の経費が補助対象になるか確認、場合によっては事務局に問い合わせること。

2. スケジュールと資金繰り

補助金は後払いになるため、資金繰りが間に合わない場合は、金融機関などの支援(融資)を受けられるよう相談しておくこと。

3. 開発系補助金は収益化時期に注意

開発費を補助するタイプの補助金は、開発フェーズであることが支給の前提条件(受給までに収益をあげないこと)

4. 補助金確定報告資料の作成

確定報告では、補助事業としてどのようなことを行ったのか細かな報告をするとともに、証拠となる資料を大量に提出する。

5. 5年間のモニタリング

補助金受給後も5年程度のモニタリング期間がある。この期間内に一定の額以上の利益が発生すると補助金を一部返還しなければならないケースもある。

最後に、補助金申請の専門家を利用すればある程度の支援は行ってくれるだろうが、経営者自らが積極的に給付を受けたい補助金についての知識を習得することが何より大事である。