今こそ郊外の魅力を再発見し情報発信を!

 最近、主治医のすすめで白内障の手術を受けた。それまでは読書をしたりスマホを操作したりするのにとても苦労をしてきたのであるが、視界良好とは正にこのことである。これを機に仕事やプライベートでもよりアクティブに活動し視野を広げていきたいと思っている。

 さて、新型コロナウイルス感染拡大は、我々のライフスタイルや考え方にも大きな変化をもたらした。

 バブル崩壊後にモノ消費からサービス消費へと変化が進んだが、コロナ禍では対人サービスがしづらい状況になってしまった。特に影響が大きいのは、飲食店や観光サービス業である。例えば、都心の有名な老舗であっても閉店に追い込まれているのが現実だ。都心の店は、これからも閉店や移転が増えることが予想される。

 こうした環境の変化に対応するためには、大都市から郊外へ、あるいは集中から分散へという考え方への切り換えが必要不可欠である。実際に先ごろ総務省が公表した2020年の住民基本台帳の人口移動報告によると、東京からの転出者数が計40万1805人と前年比4.7%増えている。

 また、こうした状況は、静岡県などがワーケーション事業(観光地やリゾート地でテレワーク・リモートワークを活用しながら、働きながら休暇を取る過ごし方)を推進していることもあり、地方にとっては絶好のチャンスと言えるだろう。郊外の住み良さ、居心地の良さに気づいた都会人が空き家や空き店舗をリノベーションして新たな生活・仕事の場とするなど地域ニーズに合った新たなビジネスが生まれる可能性もある。

 また、在宅勤務の増加も見逃せないチャンスの一つである。自分の暮らす街を新たな視点で見るようになった人が少なくないのではないか。毎日自宅と会社の往復だけであった人が、仕事のアイデアを求めたり、気分転換を図ったりするために、自宅の周辺を散歩することで魅力的なカフェや居酒屋の存在に気がつき利用(固定客)することも大いにある。

 今後も人口減少、高齢化の進展による衰退が予想される郊外に活気を取り戻すためには、今の時代だからこそ郊外の魅力を再発見し、情報を発信していくことが不可欠である。

 筆者も複眼で地元郊外の魅力を再発見し引き続き情報発信していきたい。