「考える」ことが企業の力となる

 「人間は考える葦である」これはパスカルの有名なことばであるが、なるほど「考えて行動すること」はヒトの特徴だなと再認識してしまう。企業にあっては、考えるということはどのように位置づけられているのか?企業は常に課題解決や新しい企画などに頭脳を駆使してライバル他社と凌ぎを削っていることから、考えることで勝負をしているのが企業だと言ってもいいだろう。おそらくここで企業力の差がついている。そうなると、これからは人の育成・開発に熱心な企業ほど成長するのかもしれない。
 しかし、企業のなかには、考えることを阻害する発言も多くあるのではないだろうか。例えば、会議や上司と部下の会話のなかで、「それは前例がないから見送ろう」とか「役員がなんて言うかな」とか、「それについてはあなたのやることではない」といった発言を少なからず聞いたことがあるはずだ。
 これが相手の思考を停止させる最大の要因である。早い話が、「あなたは考えなくてもいいよ」「考えるな」と言っているに等しい発言である。
 むしろ、自ら前例をつくってやろうというくらいの熱意・元気のある人が、これからの企業にとって必要不可欠である。逆に役員の顔色ばかりうかがって行動する人は、熾烈な企業間競争を繰り広げている組織のなかでは、足手まといとなる。また、衆知を集めて知恵を出し合う意味をよくわかってない人が、とかく権限を持ち出して考えを遮っているのである。
 特にこれからは「石橋を叩いて渡る」ではなく、「石橋を壊して新たな発想で独創的な橋をつくって渡る」くらいの取組みが必要である。そのためには、よく考えること、考えを結集することが必要である。正に考えることが企業の力となる時代でもある。
 ところで御社は「考える集団」となっていますか!?